CAT採用ランド

cAt-Studio

先輩たち
島田 美希(以下、島田)19年目社員 プラン、チーフなどオールラウンダーに活躍
平安山 良伍(以下、平安山) 11年目社員 ムービングプログラマーとして活躍

インタビュアー
折登谷 早希(以下、折登谷) 7年目社員

(2021年8月現在)

※ウイルス感染症への対策を徹底してインタビューを行っております。

どうして“照明”を

平安山 高校の時に友達とバンドをやりだした関係で、音響面白そうだなと思って、結婚式場に音響のバイトで入ったら、ムービングのほうが面白そうじゃんと。それで照明やろうと思った。それで進路指導の先生が見つけてきたのがC.A.T.で。
普通に面接受けたら、高卒だったから1年CAT舞台研究所(以下、舞台研究所)どうですかと言われて、舞台研究所に入って、卒業のとき他の会社のことも知らないし、そのままC.A.T.入ろうと思ったのがきっかけです。
折登谷 では、島田さんはどういうきっかけで?
島田 どうしても照明じゃなきゃいやとかそういう気持ちはなかったかな。
色やカラフルなものが好きとか、テレビが好きとか、コンサートとか誘われたら絶対行っちゃうとか、そうなると目に飛び込んでくるのは照明で、綺麗だなと。
でもなんかそれを作るってことは考えてなくて、その場所で働いてみたいなぁというのがきっかけです。
折登谷 コンサートやイベント関係がやりたくてってことですか?
島田 そう、イベント関係がやりたいなと思って元々は。照明ってどういうことすれば入れるのかなみたいな、会社ってあるのかなみたいなことを調べて。具体的には知らないから、取り敢えずはなんか楽しそうだから入りたい。もう安易な気持ち。仕事がどれだけキツくてどれだけ何をしてるとは想像もつかずに入ってきた。
一同 (笑)
折登谷 なんかそういう勉強をしようみたいなそういう学校は調べたんですか?
島田 元々全然違う建築系の学校を出ていて、建築の設計事務所ってとこでバイトをしていたの。そこでも結構徹夜で図面を描いたり、模型を作ったりっていうね、もうね今と同じような生活をそういえばしていたなと。そんな中でもちょっとコンサート行きたいなぁって(笑)
一同 (笑)
島田 やっぱね違うものに目が行きがちなんですよ。同じようにキツイ思いをするなら、こういうキラキラした照明やってみたいなぁって。その時に事務所の方に悩んでますって話したら、じゃあ後悔するくらいだったらなんかそっちの世界も経験してみたら?と言ってくれて。ちょうどその方に受験を控えた息子さんがいてね、いろいろ専門学校の案内書を持ってたの。それで「この東京照明技術学院(注:舞台研究所の前身的な学校)って何?こういうピンポイントの学校の方がいいんじゃない?」って言われて、その時のバイト代を使って行ってみようと。その方が紹介してくれなかったらここは知らないし、今照明の人生も歩んでいないと。それで学校から夏休み恒例でいろんな会社に研修に行けて。その中でもちょうどC.A.T.は同じ沿線で近いなって。それで何やってる会社かなって調べたら、蜷川さんとかやってる。なんかすごい芸術的だなぁみたいな、ちょっと見てみたいなとか思って行ってみたと。そうしたらみんな面白い人がいっぱいいて、個性的で(笑)

仕事をしていて最高の瞬間

島田 どの公演っていう限定では思い出せないんだけど、密かに練習したキッカケがバッチリ合った時!
あとはあれね、つらいつらいとやりながら初日を迎えて、ベタですけどお客さまの拍手、大喝采をバァーと聞いたら『あぁやってて良かったなぁ』って。全ての苦労がそこで吹き飛ぶみたいな。その部分ですかね。
平安山 初日本番終わってお客さまが楽しそうにしてたり、拍手貰ったり叫んだりしてた時に、はぁ終わったぁってなるよね。
島田 でその後のビールが美味しい。今は無理だけど。
平安山 まあ、この仕事でしか味わえない緊張感だね。本番、初日。日常生活じゃホント味わえないよなと思う。
島田 毎日同じことを繰り返しているよりは、いつも違った刺激。この心拍数。生のライブ感。
折登谷 私、このコロナ明けの一発目が、初日が本当に、しびれました。
島田 泣けるよね。

失敗談、体験談

平安山 失敗談は挙げだすときりがないけど、言わない方がいいんじゃないの?
なんかリアルすぎてあんま言えないよなと思って。
島田 ありますよね細かくは。寝坊はね、それはもう恐ろしい。想像しちゃう。
平安山 漫画で飛び起きてくるくる回るってあるけど、今何すればいいんだっけみたいな。
最近なくなったけど、休日に「今日どこに行かないといけないんだっけ?」って起きるんだよね。
島田 それぐらい恐ろしい。寝坊する夢も見る(笑)
折登谷 島田さんの書いてくださったエピソードめっちゃ面白い。これ読んだだけで面白い。
島田 某地方コンサートツアーで、まだ2・3年目の若手の時にピンチーフをやりなさいと言われてどきどきしていて。それで地方に行って初めてあの黒い旧ピン(注:ダウザーなしのPIN)に出会って。煙突!煙突ついてる!これはなにーってなっていたら現地さんに「ああ、旧ピン知らない?」みたいな。
で、旧ピンはカッターとアイリスしかない。でも色もそれなりに使ってるからマスクはもう最悪ちょっと無理だから、もうカッターでごまかしてやっちゃえみたいな。
ずっとそれを・・・・・・。

(注:この後延々と楽し恐ろしい体験談が続くのですが泣く泣くカットしました。入社された方は親睦会などでその話題がでることをお楽しみに)
島田 それ以来、なにがあっても冷静に、無理な時は無理だから。復帰までがんばって、最速で対応しようと、もうその時に身をもって。ていうお話。
一同 (笑)

会社でのスタンバイ、現場で大事なこと

島田 これはすごい単純に、時間がいつもない!っていうこと。
その中でタイムスケジュールに間に合わせるということ。好きにね、いくらでもやっていいですよ!だったらとても楽な仕事だけど。どのセクションも時間が決まっててそれを守れてこそプロみたいな。時間オーバーしてそれなりにいいものを作ったとしても、お客さんを待たせちゃうから、やっぱり時間が一番大事。限られた時間で、どれだけ魅せられるものが作れるかっていうのが大変だと思う。
平安山 自分の想いと、時間とのせめぎ合いってことですよね。
島田 そう、ねぇ。現場に入っちゃうと更に初日まではね。結構試練があるけど、まぁ開けてしまえば落ち着いた日々が送れる。
平安山 プログラマーは初日開けたらいなくなっちゃうから俺。
島田 そうだよね~。プログラマーはね、いつも駆け足状態で。
平安山 年がら年中、時間に追われている人。
島田 それでちょっと孤独だよね(笑)まぁプランナーに近いって感じかな。
折登谷 チーフの仕事で一番時間のかかる作業は、何ですか?
島田 図面作業が7割かな。あとは対外的な打合せ。機材のフィックス。
折登谷 プログラマーだと事前打ち込みとかが一番長い?
島田 メインだよね。
平安山 打ち込みは別に大変ってわけじゃないんだけど、あれなんだよ、打ちこみデータが前日に一気に来るとかギリギリに夜中に来るとか。
島田 まぁそうだね。
平安山 時間に追われて辛いってのが多い。打ち込みそのものは別にそんな辛くない。でも、ぎゅって最後データが全部集まってくるから、それが大変かな。
あとは、会社だと自分のペースでやれるけど、現場だと皆が待ってる中、俺一人しかやる人がいないっていうのが一番。
島田 ストレス。
平安山 時間に追われてたりしたら。
島田 そうね、時間に追われる、みんなを待たせ、人を巻き込む。そこら辺の重圧を受けるポジションかもしれない。

仕事の中での自分なりのこだわり

平安山 クオリティを下げずにスピードアップするのを日々意識してる。
時間をかければ出来るっていうことはプロじゃないと思うんで。出来るのが当たり前で、更にスピード上げるにはどうしたらいいのかっていうのは、自分の技術もあるしすぐに上手くいくことじゃないと思うけど、日々意識してやらないと、多分ダメになるなって思ってそれを意識している。
折登谷 島田さんは如何ですか。
島田 私はもうほんとに集中力。いかに保つかっていうこと。この時間はやるぞって決めたら、集中を持続させることを意識して。早くそれで終わらせないと。
あとチーフをやる事が多いので、自分の仕事とかばっかり考えてても、世の中回っていかないので、一緒に入る現場の人にはこう、普段しんどいし足痛いしみたいなきつい仕事が多いので、そこでもちょっと笑いが起こるくらいの空気を作れるようにっていうのを意識して頑張っております。
折登谷 全体の雰囲気作りを。
島田 そこをちょっとやんなきゃなっていう風に。それが良いのかは分からないけど(笑)厳しくしてシャキッとさせる方が大事なこともあるけど、ストレスをあまり感じさせないようにする。
折登谷 オンオフの切り替え方って難しいですよね。やる時はやるっていう。
島田 ふざけるというのは、また違うから。集中力を保ちながら、ピリピリしないみたいな。

後輩に向けて

島田 最近と言わずとも、みんな始めからうまくやろうとしているから、すぐ「あぁ出来ない」みたいな。最初っから上手くいくはずがないのに、なんかできると思いこんでる節があるのと、あと出来なかった時のショックの度合いが大きいような気がして。出来ないのはもう当たり前なんだから、どんどん次に行こうって立ち上がって欲しいなと思う。
これはどうしてだったのか、何が悪かったのかとか、これの時ってそうやってるんだなとか、興味を持って質問を繰り返したら、やっぱ人とのコミュニケーションに繋がるし、そこで経験が積まれたら、その人との間にも「あ、出来るようになったな」「やろうとしてるな」って信頼関係が生まれる。仕事は信頼関係でずっと成り立つものだからね。気がついたら出来るようになってて楽しい気持ちが生まれるんだよって思う。まだそんな最初の躓きで向いてないとか言い出しちゃったりしないで、もっと面白さを発見できる所まで頑張って欲しいなというメッセージがございます。楽しくなる手前でみんな諦めてるなって。照明とはなにかって分かったような気で、やっぱ思ったのと違いましたって。思ったのって何?みたいな。
一同 (笑)
島田 もうちょっと、ね、一緒にコミュニケーション取ろうよみたいなことですかね。
平安山 先輩がやっていることを覚えるなら、例えば島田さんも折登谷さんも自分のやり方を見つけてやってることを、それをまねてみて勉強するとかしながら、自分なりのやり方をみつけないと何事もやっぱ身につかない。その心構えをもって成長していかないと、言われたことしかやらないならバイトくんと一緒だし。
まあいきなり全部やれなんてもちろん求めてないし、一歩ずつ正確にできるようになっていけば、いいんじゃないかなって思う。
俺、今日5個くらい言われちゃったんだけど、とりあえずどれを直そうかな~みたいな。
一度に直そうとして、今日もだめだった、今日もだめだった、ああまたっていうより、今日はまずひとつ直す。そうしたら、相手も話はきいてるんだなってなるじゃん。日々それで1個ずつ消していけば、最後には技術がちゃんと身についてる。

C.A.T.の特徴、イメージ

平安山 ポジティブにいろいろな現場に行くから、いろんな現場の良いところを知って、例えばコンサートで知ったことをミュージカルに活かしたりとかってことはある。
島田 他の会社からよく言われることっていうのは「C.A.T.のみんなって仲がいいね」って言われるのが多いかな。飲みに行くのみんな一緒とか、楽屋にいてもみんなわいわいしゃべっている、みんな鏡のほうみてないとか。今はコロナでそういうのやめなさいって言われている時期だからみんな意識して最小限にしゃべっているけど、他のセクションの方からもよく言われる。言われてみたらそれはそうかなって感じるかな。あと、どうしたのとか、困っていたら訊いてくれるし、私も訊こうと思っているし、ほっとけない精神というか、家族的な雰囲気を強く感じるなって、それも大事にしていかなきゃいけない会社かなって思う。
平安山 チームで仕事する照明だから、チームワークはいいんじゃないの?でもそれって・・・。いい意味で言われているときもあれば、違う意味で言われることもあるから。
島田 あまりかたまるなよっていう部分もあるからね。
平安山 クオリティに関してだけど、いい意味で厳しく上から言われるじゃないですか。まだまだだよとかって。そういうところで、社員みんなが自分のクオリティに対しての意識が高いのかも。本番やっても、まだまだだなって気にしてるのも感じるし、その辺は良いところなのかな。
島田 クオリティの部分は、引けは取らないのかもしれない。事前に勉強しているから。
平安山 なにで仕事をもらうかですよね。
島田 そう、クオリティへの安心感で仕事をいただいている。C.A.T.に頼めばここまでやってくれるって思われて仕事をもらっている、そういう意識でやらなきゃいけない。だから、みんな自ずと勉強しようって。あと機材の量とかになるかな。

今後の目標

平安山 今このコロナで、ネットワーク、インターネットを使ったツールの利用がすごい普及したでしょ。オンラインミーティングだったり。それまで、そういうのがあっても使われてなかったのが普及しだして。スマホもすげぇ勢いで進化していってるから、そこに対応できる会社になっておかないと、業界的にも置いてけぼりになるよなってのがある。仕事に活かせる便利なことには前向きに対応できる会社になっていけたらいいんじゃないかなと思ってます。
折登谷 島田さんは?
島田 年齢も年齢なのでなんかこう、これからは自分が自分がみたいなよりは、もう後輩社員の育成とか次の世代の後押しじゃないですけど、その辺の育成に力を入れていきたいなと。そういう風に今は思っているかな。
でもね、教えるっていうのがとても難しくて、やっぱ自分だったらこうだけど今は違うとか。この時代がどういう風にしたらわかってもらえるのかなとかを今は考えてるって感じ。
やっぱプロの先生じゃないからどうしたらわかってくれるかな、どうやったらプロ意識持ってくれるかな、とか言葉じゃなくて他になにか伝えることはできないかなみたいな。それが今はテーマであります。
ま、感じ取ってどんどんどんどん活躍していって欲しいなと。
今ね、今が分岐点って感じがするけどねC.A.T.の。
折登谷 このコロナで色々難しいですよね。現場数が少ないから。
島田 少ないからね。実践してなんぼだから。こうね。ここ1,2年ぜんぜん現場に出れてないから。本来なら穴に突き落とされて知らないうちに歩きました~みたいな感じなんだけど。それが出来てないのがもうかわいそうだからね。でもスピードは人それぞれ違うけど気持ちさえ持ってればできるようになるから。

入社を考えている人へ

島田 なんか楽しいだけでは終わらないのですよ。楽しくてお金を稼ぐって無理なんですよ。そこは、もう、諦めてください。照明の仕事は楽な仕事ではないので、辛くて長いトンネル(笑)
一同 (笑)
島田 つらいけどつらいと思っちゃうとただただ拷問になっちゃうんで、そこから楽しさを一緒に感じて前向きに一緒に頑張ってくれる人を待ってます。入ってきたときの気持ちが一番マックスだから。そこを忘れないで。
折登谷 平安山さんは?
平安山 ムービングプログラマーは仕込み・バラシでは高所作業や、重たい機材の設置、徹夜などもあり身体と頭を使う仕事なので楽な仕事ではありません。最新機材を勉強したり、最近だとネットワークの知識も必要だったり覚えることもたくさんあります。ですが、すごくやりがいのある仕事です。
本番の緊張感と、現場が終わったときの達成感は最高です。
女性のムービングプログラマーの方もいます。若くても頑張って覚えれば卓を触るチャンスはあるので、やる気と根性のある方はぜひ目指してみてください。
島田 平安山のiPadでなんかやってる姿が、もうさIT系だよね。
一同 (笑)
折登谷 (笑)はい。皆さん今日はありがとうございました。