|
2004年1月28日〜2月3日の一週間、下北沢の本多劇場で公演しました。
『ザッツ・ジャパニーズ・ミュージカル』とは斎藤晴彦氏を中心にしてミュージカルをパロディにしたショー、
『フォービドゥン・ジャパニーズ・ミュージカル(禁断の日本ミュージカル)』として
平成3年に初演され以来10年、12年と改訂上演されています。
『平成アチャラカ座』とは坂本あきら氏を座長に、小林のり一氏、菊地凡平氏、渡辺信子さんらの座組で
平成12年に旗揚げし、往年のアチャラカ喜劇を目指した集団です。
今回はこの二つの出演者とコンセプトを合体させて作られた作品です
。
脚本・演出の高平哲郎先生に声をかけて頂き、『ザッツ』も『アチャラカ』も知らない私が
照明プランをやる事に!
年明け早々にはちょっと濃すぎる壮絶な現場に必死に取り組みました。
本多劇場に収まるのかと思える程のセットの物量、
楽屋が足りるのか心配になる程の豪華な出演者多数、
搬入を考えただけでもウンザリするような照明や音響や映像の器材、
そして公演終了後に毎日行われるゲストの22時劇場、
どれを取っても未開のゾーンで精神的、肉体的供に泥のように疲れました。
でもすご〜く面白かったんですよこれが!
私的にはかなり壺に入った作品!
もっともっと多くの人に観て貰いたかったと思います。
|
◆◆◆スタッフ紹介◆◆◆
|
| 原作 ◇ |
江戸川乱歩 |
| 脚本・演出 ◇ |
高平哲郎 |
| 音楽 ◇ |
杉浦哲郎 まどかまるこ |
| 美術 ◇ |
金井勇一郎(金井大道具株式会社) |
| 照明 ◇ |
吉川ひろ子(株式会社C.A.T) ◇ 今野 実 ◇ 鶴田美鈴 ◇ 富士本論香 |
| 音響 ◇ |
新城昌美 |
| 映像 ◇ |
福井正紀(マグナックス) |
| 舞台監督 ◇ |
中尾享一(クリエイト大阪) ◇ 岡林真央 ◇ 清水信博 ◇ 田中崇 ◇ 広瀬瞬 |
| 声楽指導 ◇ |
古賀義弥 |
| ヘア・メイク ◇ |
憑 啓孝 |
| 衣装 ◇ |
たかひら みく |
| 特殊小道具 ◇ |
南坂達徳 |
| 振付 ◇ |
土居 甫 ◇ 小井戸 秀宅 ◇ 室町あかね ◇ 渡辺美津子 |
| ファイトコレオグラファー ◇ |
國井正廣 |
| 音楽制作 ◇ |
小池敏治 ◇ 中村健太郎 |
| 演出助手 ◇ |
菊地凡平 |
|
◆◆◆出演者紹介◆◆◆
|
| 明智小五郎 ◇ |
斎藤晴彦 |
| 怪人二十面相 ◇ |
今 拓哉 |
| 花崎マユミ ◇ |
絵麻緒ゆう |
| 緑川夫人(黒蜥蜴) ◇ |
ROLLY |
| 名探偵元少年小南 ◇ |
松田洋治 |
| ハンニバル・レクター ◇ |
星セント |
| 小原座社長 ◇ |
清郷流号 |
| 明智助手・小林元少年 ◇ |
小林のり一 |
| 明智助手・小林元少女 ◇ |
まどか まるこ |
| 警視庁・中村善四郎警部 ◇ |
三波伸一 |
| 今西刑事 ◇ |
根本和史 |
| アチャラカ座副座長・尾上雲の丞 ◇ |
菊地凡平 |
| 松野松吉 ◇ |
大須賀ひでき |
| 雨宮潤一 ◇ |
西村直人 |
| 猫目 ◇ |
三木さつき |
| 女中トメ ◇ |
渡辺信子 |
| 声の出演 ◇ |
◇ 白石冬美 ◇ 野沢那智 他多数… |
| ◆◆◆ゲスト紹介◆◆◆ |
| ○誘拐される一流芸能人(日替りゲスト)○ |
| 1/28
夜 ◇ |
コロッケ |
| 1/29
昼・夜 ◇ |
ミッキー・カーチス |
| 1/30
昼 ◇ |
小堺一機 |
| 1/31
昼・夜 ◇ |
チャンバラトリオ |
| 2/1
昼・夜 ◇ |
カール北川&ザ・クリソッツ |
| 2/2
昼 ◇ |
山崎ハコ |
| 2/2
夜 ◇ |
ノブ&フッキ− |
| 2/3
昼 ◇ |
水前寺清子 |
本編で登場する誘拐される一流芸能人(本人の役)として日替りでゲストが設定されています。
そしてその日に登場したゲストの方々が公演終了後の22時から60分間のショーを行いました。
本編の終了時間が21時45分頃だったので、お客さんがはけてから若干のチェックをしてまた客入れとスタッフは戦争でした。
本編 二幕十七場 3時間以上に及ぶ本番を終えた後全く休憩する事無しでショーが始まるという何とも過酷なスケジュール、
しかも毎日マチネ・ソワレですからそれはそれは大変でした。
初日が開いてから千秋楽に至るまで、まるまる一日中拘束された現場は初めての経験かも(*_*)
でも其々芸達者なゲストの面々のショーはとてもとても楽しかったです(役得だ〜!)
そして毎晩、終電の時間を気にしつつ劇場を飛び出して帰ったスタッフなのでした。
自分を含めこの公演を支えたスタッフに心から「お疲れ様!」と言いたいです。
| 【客入れ】 |
 |
各シーンのエレベーションです。
|
|
| 【第一場】 小原邸居間 〈怪人二十面相登場〉 |
 |
時は昭和のどこか。東京では誰もが謎の怪人「二十面相」の噂をしていた。
「二十面相」とは、思いのまま変装できる謎の盗賊の事で、二十の全く別の顔を持っていると言われていた。
彼は宝石・美術品の怪盗であり、大胆にも「何月何日頂戴に参上」と予告状を送っては狙った品を必ず手に入れていた。
美術収集家でもあるオバラ座社長の小原のもとにも「12月31日12時にロマノフ王朝のダイアモンドを頂戴する」という予告状が怪人二十面相から来ていた。 小原邸では中村警部と明智小五郎等で厳重な見張りをしていた。
午前0時が過ぎ、怪人二十面相が現れなかったので一同は祝杯を挙げようとするが、小原邸に下宿する演劇研究生の花崎マユミは、当主小原が二十面相の変装であることを暴く。本物の小原はロープで縛られていたのが発見されたが、ダイアモンドは逃げた怪人二十面相にまんまと盗まれてしまった。 |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
小原邸の大きな柱時計は11時55分を指している
「大きな古時計」「のっぽ」「おじいさん」のキイワードからいきなり♪お〜おきなノッポの古時計♪と全員で歌いだす。
これでこの芝居は笑って観ていいんだなって分かる。掴みはOK!
そして12時になると針が無理矢理ゼロのところに動く。
しかも「ボーン ボーン」と打つ音を数えていると15回も打ってしまうのだ。
そして二十面相の登場!客席の下手後方に突然現れる 振り返って観ているお客さんを見るのが楽しい。 |
|
【第二場】 劇中劇 『一流芸能人のショー』
|
 |
オバラ座新春公演のオープニングとして日替りゲストによる7分間のステージが繰り広げられた。
「ものまね」や歌やトークでゲストの個性が光る!あっという間の時間(もっと見たい!それは22時のお楽しみ!) |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
小原邸のセットから芸能人のショーへのセット転換。舞台中ほどに下りて来る紗幕の裏で転換しているのですが、
転換時間が短い為に芸能人の登場までにギリギリ間に合うかどうかの瀬戸際。ガンバレ演出部!! |
| 【第三場】 オバラ座舞台裏 〈怪人二十面相の予告〉 |
| 【第四場】 オバラ座ステージ 〈大魔術の失敗〜怪人二十面相現る!〉 |
| 【第五場】 オバラ座の幕中 〈名探偵明智小五郎の登場〉 |
ここ下北沢の劇場、オバラ座では、おりしもアチャラカ座新春公演の初日であったが、再び二十面相から、
「アチャラカ座初日終演前にオバラ座にとって一番大事な物を頂戴する」との予告状が社長宛に届いた。
舞台裏では副座長と中村警部と今西刑事が警官を伴い待機していたが、オープニングに登場した一流芸能人が
ミスターファントムのマジックショーのBOXに入ったまま行方不明になるという事件が起こる。
名探偵明智小五郎が劇場に到着すると、怪人二十面相の声が舞台裏に響き渡る。
「一流芸能人が欲しければ小原社長の所蔵する黄金の観音像と交換してあげましょう。
当劇団の花崎マユミに、来る1月11日午後11時、マユミの叔母・緑川夫人の別荘に黄金の観音像を持参すること。取引はそれからだ」
またまた二十面相には逃げられてしまう。そんなとき明智に声をかけた一座の座員がいた。
それはかつて小林少年として明智の助手を務めていた小林芳雄だった。 |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
中村警部は何時も食べ物の話をしているか女の尻を追い回しているかのキャラ。今西刑事とは犬猿の仲のようだ。
毎回「中西君」と名前を間違えて呼ぶ。大真面目キャラの今西とおとぼけキャラの中村とのギャップが面白い。
バイオリンを持った小林元少女を従えて客席から登場した明智小五郎は(チゴイネルワイゼン)の替え歌を歌う。
これぞ「キャー本物!」って超嬉しかったのは私だけ?
そして再び現れた二十面相は、なんと上手のFRONTスポットの間を掻い潜っての登場!
台本には(会場の思いもよらない場所から二十面相登場)と書いてあった。
下見の時に「ここ良いね」って事になったので、ちゃんとスペース空けて仕込みさせて頂きました。
小林少年と明智先生の再会シーンでは(トロイメライ)が流れ紗幕には二枚目の先生と美少年の生徒が寄り添う絵がスライドで映された。(爆笑) |
|
【第六場】 劇中劇 『女シェ−ン・カム・バック』 |
 |
定式幕が開くと日本情緒漂うワイオミングの風景のドロップに書き割り丸出しの小屋。
どうみても中年オヤジにしか見えない貧乏少年ジョーイが薪割りをしている。
そこに颯爽と登場する女シェ−ン。絵麻緒さま素敵です。 |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
まず背景のドロップがワイオミングなのに和風なのが可笑しい。松の木が書いてあったりするのだ。
そして台詞がわざと棒読みで大根芝居なのだ。そんな中でも女シェ−ンの絵麻緒ゆう様は素敵で、宝塚ファンにはたまらないであろう男らしさに溢れていた。
小林のり一さんのジョーイが壺にはまってしまい素で笑ってしまって芝居が無茶苦茶になってしまうのが毎日楽しみだった。殆どギャグ一色の劇中劇。
これがアチャラカなのか? |
| 【第七場】 オバラ座正面 〈明智小五郎VS緑川夫人〉 |
 |
芝居が終わると客席から「ブラボー!」の声。マユミが呼んだ緑川夫人だった。緑川は、マユミの幼なじみで
アメリカ在住の名探偵元少年小南を連れて来ていた。緑川は初対面の明智と二十面相の逮捕の有無について、
自分の全宝石と明智の探偵廃業を賭ける。事態が進展しそうにないので、呑気な緑川夫人は舞台裏と芝居を観劇することにに決める。
早速、明智が日本の商業演劇の「しきたり」を説明する。
そこへ小原家のメイドが駆け込んでくる。なんと「黄金の観音像」が黒蜥蜴に盗まれたのだ。
明智が商業演劇のしきたりを説明するシーンはミュージカル仕立てになっている。その内容とは…
*ポスターでは座長の写真がセンター。
その相手役は頭のてっぺんが座長の写真より少し下に来るように配置される。
以下、役者はキャリア並びにギャラに沿ってその周りに中小取り混ぜて並べられる。
*神棚に御神酒を奉り、初日には大入りと事故のないのを祈ってお祓いをする。二拝二拍一拝…。
*座長は控えの間のついた一番広い部屋。他の役者はキャリア並びにギャラの順に小さくなって行く個室。
次いで二人部屋、四人部屋、その他大勢は大部屋。
*楽屋口から劇場に入ると自分の名札をひっくり返す。
*個室を与えられた役者は例外なく、入口に自分ののれんを下げる。
*初日には大物以外の役者は「初日おめでとうございます」と言って各楽屋に挨拶に行く。
*座長はたまに弁当を配ったりする。(まいせんのカツサンドとか…) |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
まず緑川夫人のROLLYの衣装に度肝を抜かれる。真っ赤に大きな花柄の派手派手の振袖なのだ。(美しい?)
そして一緒にいる小南と言えばみんなが知ってるアニメの名探偵コナンそのものの松田洋治なのだ。
洋治くんは今年で36歳だそうだが、どうしても少年にしか見えない。(ゴメン洋治くん)
しきたりの歌の中で「どうしてアメリカのミュージカルをやってるのに楽屋に森光子よりなんて書いてあるのれんを下げるのでしょう?」ってのがあって
思わず「そうそう!」って思いました。 |
| 【第八場】 劇中劇 『ザッツ・ジャパニーズ・ミュージカル』 |
 |
舞台では『ザッツ・ジャパニーズ・ミュージカル』が始まる。
<キャッツの「メモリー」替え歌>
<オバラ座へようこそ 「ウィル・コーメン」替え歌>
<9×9もできない「ドレミの唄」替え歌>
<赤字のホール「ラ・カージュ・オー・ホール」替え歌>
<サタデーナイト千葉「サタデーナイト・フィーバー」替え歌>
<だけどふたり「On My Own」替え歌>
<ガヤはたまらない〜客の携帯電話「チェイン・ソング」〜24653〜民衆の唄> |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
キャッツのメモリーではいいかげん20年以上も上演している事へのツッコミが可笑しい。
オバラ座へようこそは大須賀さんの裸にサスペンダー(しかも胸毛)とバカ殿のような白塗りの顔がキモくてお客さんが引いているのが可笑しかった。
赤字のホールは真っ赤な振袖姿で歌って踊るROLLYがとてもキュートだった。
サタデーナイト千葉の西村直人さんは本領発揮の一曲入魂!替え歌の歌詞の絶妙に星三つです!
だけどふたりはダブルキャストの女優さんの悲しみを歌ってます。昼の部が終わったら別の人の楽屋になるって。
ガヤでは暗い照明の中、盆が廻っているように自分達で円になってぐるぐる廻っているキャスト達。
「せっかくオーディションに受かったのに毎日目が回るぜ」とか「照明が暗すぎて誰だか分かんないぜ」とか歌う。
レミゼを知っている人には大爆笑もの。そして「何時かは見てろよ〜!」と思っていたけど去年で総入れ替えだって。 |
| 【第九場】 ボルティモアの精神異常犯罪者用州立病院 〈レクター博士との対面〉 |
 |
マユミは小南と米国はボルティモアの精神異常犯罪者用州立病院にいるハンニバル・レクター博士に面接する。
マユミはレクタ−から「二十面相は岸壁に建つ地下室のある館に居候している」という情報を得る。
マユミを探しに監房で迷った小南はチャーリー猫目に率いられたチャーリーズ・エンジェルを目撃する。
その直後、彼女達は拘束服にマウスピースをはめられた
レクターを誘拐してくる。しかも、なんと彼女達に指示を出していたのは花崎マユミだったのだ。一体これはどういうことだ。
小南はつぶやく「誰一人信用できない…」 |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
まずこのシーンに入るとマイケル・ジャクソンが出てきて「デンジャラス」を歌い踊る。
そうです、彼は既に幼児虐待疑惑とピーターパン症候群でここに入院していたのです(笑)。
その次に出て来るチャーリー猫目はキル・ビルのパクリであった。日本刀で人を斬りまくってました。
キル・ビル知らないの〜?猫目役の三木さつきさんはスレンダーな身体にキュートな顔で唄が上手い。素敵です。
レクターは人を食べた男で二十面相は人を食った男だってのも「上手い!」と思った。 |
【 幕 】
| 【第一場】 口上 |
 |
| 【第二場】 劇中劇 『与話情浮名横櫛』 |
 |
多佐門の妾宅 |
 |
お富の家 |
| 【第三場】 劇中劇 『女トリオ漫才』 |
 |
オバラ座では口上から劇中劇『与話情浮名横櫛』が始まっている。
定式幕が開くと赤毛氈の上に正座して頭を下げた四人が居る。上手から斎藤晴彦氏、ゲスト、絵麻緒ゆうさん、
小林のり一氏の順。一人づつ口上を述べて定式幕が閉まる。
そして白石冬美さんのアナウンスが入り劇中劇が始まる。幕が開くとそこには黒塀に見越しの松、そして忌中の紙が
貼ってある。ここはお富さんの家なのだ。(そしてお富さんの葬式)
何も知らない親分の安と子分の与三郎はお富さんをゆすりに現れるのであった…
浮名横櫛が終わると定式幕前にハワイ風ムームーを着た女トリオ漫才が出て来てネタを披露する。 |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
二幕の幕開きに口上の四人が居ること事態が可笑しい。そして劇中劇が始まるとセットが時代劇風なのが更に可笑しい。親分と与三郎のやり取りは古典的な
正統派ボケとツッコミなのだがそれは正しく可笑しいのだ。
明智小五郎の斎藤さんと安の斎藤さんの両方が見られて嬉しい。結局最後はお富さんの幽霊に追いかけられて逃げて行くのだが「この後、明智さんには謎解きが
待っているのにな〜」と思うと尚可笑しいのだ。 |
| 【第四場】 岸壁に建つ緑川夫人の館 〈緑川夫人の正体〉 |
 |
1月11日が来た。岸壁に建つ緑川夫人の別荘。夫人には側近の二人の小人と、ここに来るとせむしに変装させられる
松吉と王子様のような服を着せられる雨宮潤一の二人の使用人がいる。緑川はマユミのお土産のマイケルに歓びながら
長椅子とと会話している。長椅子の中には明智がいるらしい。そこへ小林元少年が扮した黄金の観音像が運ばれてくる。
中村警部、今西刑事、小原社長も現れる。緑川がマイケルを連れて地下室に行くと、明智がクローゼットから登場する。
さっき緑川夫人が長椅子の中の明智と会話していたのをこっそり見ていたマユミは驚く。長椅子の明智の声は、クローゼットの中からの腹話術だったと明智は言う。
明智はこのソファーに一流芸能人を入れて松吉と潤一に緑川が運ばせたという推理を披露する。一流芸能人はソファーに入ったままだ。しかもあの緑川夫人こそ黒蜥蜴だと言う。そこにクローゼットから小南が登場。ソファーの中には芸能人は
居ないと言う。
そしてこの中に二十面相が居ると。そして実は黒蜥蜴の趣味は有名人を剥製にして、マダム・タッソーの蝋人形館を凌ぐ
館を作ることだったのだ。一流芸能人もマイケルもレクターも剥製候補だったのだ。そこで二十面相の欲しがっている黄金の観音像を、一流芸能人と交換しようとしていたのだ。潤一を二十面相の変装だと見破り海に飛び込んで逃げた
潤一を追って自分も海に飛び込んだ明智。緑川夫人は館の電源を切り闇になる。そこへ二十面相が現れ、松吉と潤一に長椅子を海に投げ込ませるシーンが暗闇に轟くカミナリに照らし出されて見え隠れする。 |
| 【第五場】 緑川夫人の館・地下の美術館 〈小林元少年危機一髪!〉 |
 |
暗闇の中、小南と供に地下室を探るマユミ。剥製になった二十面相とメイドのハナなどを見つける。
そこにはレクター博士も住んでいた。 小林元少年や小南はレクターの餌食になってしまうのか?しかしマユミによってフライパンで叩きのめされたレクターが気絶している間に三人は無事逃げられた。
一方、ソファーに入ったままの明智を海に沈ませて喜んでいる緑川夫人の前に海から脱出した明智が姿を現す。
しぶとく生き残った明智に、彼から奪ったブローニングを向ける緑川。その時火事が起り、その騒ぎに紛れて明智は逃げる事に成功する。その火事は明智を救うために小南が起したものたっだ。 |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
マユミと小南が地下室を探っている時にゲストが変わり果てた姿で登場する。訳のわからない事を口走り通り過ぎて行くのだが、稽古無しのアドリブなのでマユミと小南がどう対処するかが毎回の楽しみだった。ストーリー的にはロボトミーの手術を施されていて脳にチップを埋め込まれているので狂っているという設定なのだが…
緑川夫人が「明智さんあなたはとうとう海のもずくになってしまったのね」と無気味に笑っていると海から脱出して来た明智が「もずくじゃなくて藻くずでしょ!」と暗闇からワカメをくっつけた姿で現れる(笑) |
| 【第六場】 東京タワー地下駐車場 〈東京タワーが消えた?!〉 |
 |
そんなとき、警視庁の今西刑事のもとに怪人二十面相から「東京タワーをいただく」という予告状が届く。
1月31日。オバラ座の公演楽日の前日午後8時18分。東京タワーは消滅した。
東京タワーの地下駐車場にいる小南。そこにはマイケル、頭を殴られてフレディーになってしまったレクター、二十面相、シベリア超特急の山下閣下に変装した中村警部などが次々と現れる。そして黒蜥蜴も。そしてそこで小南は二十面相と黒蜥蜴が実は夫婦であった事を知ってしまう。 |
| 【第七場】 劇中劇 『任侠オペラ「昭和残響伝」』 |
| |
クラッシクの名曲にストーリーを載せて繰り広げられる任侠オペラ。
|
 |
【第一景】 東雲一家表土間から居間
<ピアノ協奏曲 第一番>
<トッカータとフーガ ニ短調>
<ピアノ協奏曲 イ短調> |
| |
【第二景】 お竜の部屋
<トランペット・ヴォランタリー>
<ユーモレスク>
<交響曲 第五番>
<ワルキューレの騎行>
<『展覧会の絵』よりプロムナード> |
 |
【第三景】 賭場
<軍隊行進曲>
<軍隊ポロネーズ>
<軽騎兵序曲> |
 |
【第四景】 お竜の部屋
<ダッタン人の踊り>
<トルコ行進曲『トルコ後進国』> |
| |
【第五景】 東雲組・居間と土間
<ハンガリー舞曲 第五番>
<くまんばち飛ぶ>
<ウイリアムテル序曲>
<天国と地獄>
<ヴァイオリン協奏曲ホ短調第三楽章>
<天国と地獄> |
|
☆☆☆ここが面白い☆☆☆
|
|
これがザッツ・ジャパニーズ・ミュージカルの真髄か!
東雲組とお竜の部屋と賭場のセットが盆になっていてクルクル廻しながら転換していくアイデアもバカバカしくて可笑しい。こんなの見た事ない私にはカルチャーショックだった。 |
| 【第八場】 〓一景〓 緑川夫人の館・地下二階 〈誰一人信用できない!〉 |
 |
いよいよ謎解きの時が来た。今回の事件に関わるすべての人が緑川夫人の焼け残った別荘の地下二階にある部屋に集結し、舞踏会よろしく皆でワルツなど踊っている。そしてまずは明智小五郎の推理から披露される。
緑川夫人の別荘に置いてあった長椅子の中に入っていたのは本物の明智小五郎で、あの時クローゼットから現れた明智は実は変装した二十面相だった。二十面相と緑川夫人(黒蜥蜴)はグルであり、一流芸能人を誘拐した犯人である。
そして黄金の観音像を盗んだのは二代目黒蜥蜴。二代目黒蜥蜴の正体は花崎マユミである。マユミは二十面相の正体を暴いて、一刻も早く誘拐された一流芸能人を取り戻さなければと考え一度だけ黒蜥蜴を名乗って本物の黒蜥蜴と二十面相に揺さぶりをかけた。二人は夫婦であると同時に二十面相の正体はヴェラド・ツェペッシュ伯爵つまり吸血鬼ドラキュラだったのだ。
そしてその花嫁のシャロンテート緑川。ドラキュラの夫は一流人の血しか飲まないので有名人を片っ端から
誘拐していたのだった。
そして最後の謎は小南の正体は?
それは明智の雇い主、オースティン・パワーズだったのだ!
そして更に東京タワーを盗んだのは誰なのだろうか?
それはオースティンの宿敵である、ドクター・イーブルだ〜! |
| 【第八場】 〓二景〓 ドクター・イーブルの基地 |
 |
舞台奥の幕が飛ぶとそこにはドクター・イーブルの一派が勢揃いしている。イーブルの正体は中村警部。
イーブルの妻フラウは小原家の女中トメ。ミニ・ミーは小林元少年。イーブルのNo.2はハンニバル・レクタ−。
No.3は初代黒蜥蜴。No.4は怪人二十面相ことドラキュラ伯爵。
「オースティン・パワーズ、死んで貰おう!君はまだわたしの世界征服計画を阻止しようと言うのかね。」とオースティンに銃を向けるイーブル。すると妻のフラウが「待って!イーブル。あなたには黙っていたけど、オースティンは、
あなたと私の間に出来た息子なのよ」と言う。感動的な親子の対面?そしてマユミの一派も含む、ここにいる全員で
結託して世界征服計画を実行しよう!と全員て乾杯する。 なんとも強引な結末なのであった。
さてさて誘拐された一流芸能人の事忘れてませんか?
そうです一流芸能人は既に緑川夫人によって剥製にされてしまっていたのでした。「そんなのってある〜!」暗転。 |
【終り】
ずいぶんと長い長いストーリー紹介になってしまいましたね。これだけ書くのも結構疲れました。
上演時間は休憩を入れて3時間半を越えていたにも関わらず、その長さは殆ど感じられなかったのではないかと思います。
とにかく高平先生の本にはミュージカルや映画のパロディが満載で、
勉強不足の私には解からない、気付かないネタが沢山ありました。
何度も本番を観ていて「あれ?これって…」と気付いた事が幾つかありました。
観に来ているお客さんは初めてだというのにあらゆる場面でドッカン、ドッカンと爆笑していて
「みんなミュージカル通なのね〜」と関心してしまいました。
何より今回は本多劇場という舞台空間が狭い場所で二幕十七場もあった事が最大の苦労でした。
そして各場面場面のセットのボリュームが其れなりに多くて転換している舞台監督チーム、それはそれは大変だった事でしょう。
美術バトンも道具の吊り物で全て使い切りでしたしね。
そして生バンドは下手の袖の奥の方にセッティングされていて、そこで演奏していました。
二十面相だけではなく、いろんな登場人物が客席のあらゆる場所から登場していました。
ピンをやっていた二人もあっちこっちから出て来るので大変だった事と思います。
新年に相応しい豪華で楽しい舞台でした。
またこんな面白い作品に参加出来たら良いなぁと思います。
だけどもうちょっと広い劇場で、もうちょっと時間に余裕があればね…
|